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アキラのタイコ放浪記Ver.2

第16話 「 In Las Vegas 〜3日目夜中の大博打〜」

December 27 2006
月に一度の「旅行話し」です
1年半前の事を必死に思い出して書いてます

再び「最近旅行の話更新しないんですね?」等の
催促がありましたので慌てて更新します・・・笑

前回までの話を知らない方は右枠カテゴリの中の
「海外旅行の話」をクリックして下さい
(一番古いのから読んでね!)




では本編へ・・・




これだけハードな日々を送ってきたにもかかわらず・・・
しかもホテルでゆっくり寝れるのは今日が最後なのに・・・

何故かカジノに行く事に・・・

やる気満々なのは例の二人(俺とI)で
今回 T が不参加で代わりに「小」が参加



では今回のラスベガスの旅で唯一カジノを堪能した
3日目の夜をお送りします



昨日のルーレットで随分慣れたせいか
今回は最初っからルーレットコーナーへ

テーブルゲームの中でも比較的簡単なルールなので
我々初心者でも十分に楽しめるのだ



ここで簡単にルール説明!



テレビ等でも見る事があるルーレットとは・・・

大きな円盤の様な物を回し、そこに小さな玉を投げ入れ
その玉が数字が書かれた数十カ所のポケットに入る





その数字を当てるのである

テーブルに書かれてある表みたいな所の上に
自分のチップを置いて賭ける仕組みになっている





確率の高い所に賭けると当たった時の倍率は低く
確率の低い所に賭けると倍率は高くなる仕組みになっている

例えば有名な  赤 と 黒

等は基本的に2分の1の確率なので
当たっても掛け金の2倍しか貰えない
(同じ2倍率で 奇数 と 偶数 ってのもある)

この様に低い倍率もあれば

4つの数字にまたがって賭けるやり方や(倍率は9倍)
3つの数字(倍率は12倍)2つの数字(倍率は18倍)
と徐々に増えてくるのである

そして一番高いのが 1つの数字のみに賭けるやり方だ

これは倍率がなんと 36倍になる!

ルーレット専用のチップに交換してもらってゲームを始めるのだが
チップには種類があり 1枚が 1ドル〜500ドルまで存在する
普通は黙ってても$1チップに交換される





そして何人かが一つのルーレットで遊ぶのだから
誰のチップだか分からなくならない様に一人一人の
チップの色が分けられている


まず最初は1枚だけから・・・

等と言う訳にはいかない事もある・・・


テーブルによって最低賭け金額が決められており
その金額以上は絶対に賭けなければならない

今回我々が行ったホテルのルーレットのミニマムは
$4が最低だった(最低金額が$50とかも普通にある)
ので嫌でも一回に4枚のチップを賭けなければならない事になる



ではゲームスタート!



まず 俺 と I は100ドル(約1万円)ぐらいを
チップに交換してゲームを始める事にした

誰でもそうなのだが最初は慎重にミニマムに近い金額で
勝負をするものである

我々もそうだった・・・

勝ったり負けたりの連続で少し減ってきたかと思えば
元々あったぐらいまで増えてたり

大きな動きも無く時間だけが過ぎていく・・・

「小」は全然運が無く、あっと言う間にチップが無くなってしまい
途中からスロットの方に移り、そしてすぐに部屋に戻っていった


数時間が過ぎると・・・


残った我々二人に・・・


異変が起きていた・・・


バクチと言うものは・・・


本当に恐ろしい・・・


最初は最低金額で始めていた掛け金だったが
気が付けば1回のゲームで20〜30ドルぐらいを
平気で賭けているではないか!

日本円にしたら2〜3千円以上の金額を
約2〜3分の勝負に賭けている事になる


しかしこれがチップだから感覚が麻痺してくるのである


そしてチップの張り方も最初とは違ってきている


最初は倍率の低い所に張り始めてたのが
その内高い倍率の所に1枚だけチップを置く様になり
徐々にチップの枚数が増えてくる様になる

賭ける金額が大きくなると動く金額も大きい・・・

負けが5回ぐらい続いたら差し引き50枚ぐらいのチップが
一気に無くなるが、36倍の所に2枚賭けたのが当たったりすると
それだけで72枚貰えたりする(当然なのだが)



時間は朝方・・・


お馬鹿二人は・・・


かれこれ・・・


100ドル札を・・・


何回ぐらい・・・


チップに交換したのだろう・・・



この時、俺のチップは300〜400ドルぐらいはある感じだった
現時点では±0に近い所まで取り戻していた事になる

一方「I」はと言うと、丁度俺が負けている時ぐらいは
結構勝っていたのだが、この時点で再び200ドルを切っていた

それから暫くの間は俺のチップには変動が無かった
だが「I」のチップは少しずつ減ってきている


少し気になったので、彼の張り方を見てみたが・・・


別に変な賭け方をしている訳でも無かった・・・


ただ単に運が逃げ始めているだけなのか・・・


そう思いながら暫く彼の行動を見ていた・・・


勿論ゲームに参加しながらだが・・・


10回ぐらいゲームが進んだ頃だった・・・


俺はある法則に気が付いた・・・


良〜く見ていると先程から彼は、ず〜と同じ数字に賭けているのだ
(一つの数字にだけ賭けるので倍率は36倍だが確率は非常に低い)

しかも一カ所に必ず5〜6枚のチップを張っている

それ以外の数字は毎回違う所に張ったり
数カ所をからめて張ったりしているのに
何故かその数字の所には必ずチップを数枚置くのだ


その数字とは・・・



23!



俺は彼に聞いてみた・・・


俺「お前さっきから23ばっかり張ってへん?」

I 「おう!よ〜知ってるな〜!」

俺「見てたら分かるわい!」

I 「そうか・・・」

俺「どれぐらい前から賭けてんねん?」

I 「実はな・・・もうすでに30回以上は・・・」

俺「はっ?」

I 「途中で止めよう思ったんやけどな・・・」

俺「俺やったら絶対止めるわ!」

I 「なんか悔しいやん!ここまで連続して賭けてるのに・・・」

俺「その気持ちは分かるけど・・・」

I 「止めた時に限って次入ったりしたら腹立つやろ?」

俺「それは嫌やな!」

I 「だから・・・今まで・・・」

俺「分かった・・・気が済むまで賭けろや・・・」

I 「うん・・・」

俺「ところで・・・なんで23なん・・・?」

I 「うん・・・ちょっとな・・・」

俺「なんか特別な数字なんか?」

I 「そやな・・・」

俺「ふぅ〜ん・・・」





I 「今度付き合うんやったら23歳ぐらいの娘がええな〜思って・・・」





俺「はっ?」

 「それが理由?」

 「ほんまに・・・?」


I 「うん・・・」


俺「お前アホやろ・・・?」





そんな話をしながらも彼は23を外す事はしなかった

そうこうしている間に彼の手持ちのチップは
100枚を切ってしまっていた

さすがに一緒にプレーしていた見ず知らずの外国人達も
彼の行動(執念の23攻め)に気付き始めていた頃


彼が俺に相談してきた・・・


I 「やっぱアカンわ〜」

俺「だからこんだけ続いて出ないんやったらアカンて!」

I 「分かった!もう諦めるわ〜」

俺「そうした方がええと思うわ」

I 「そやな!俺には23歳は無理やねんわ!」

俺「そっちの事かい!」

I 「26歳ぐらいにしといたら良かったんかな・・・?」

俺「そうゆう問題じゃ無いと思うけど・・・」

I 「よし!今張ってる23が外れたら止めるわ!」



彼は決心した



我々は緊張した・・・

ディーラーが玉を投げ入れた・・・

ルーレットが今までより・・・

長く回っていた様に思った・・・

何故か周りの外国人まで・・・

緊張している風だった・・・

ようやく・・・

ルーレットを回る玉が落ちた・・・

数回バウンドし・・・

数字の書かれたポケットに入った・・・




残念ながら違う数字だった・・・




ここで入ったら結構なドラマだったのだが
世の中そんなに甘くは無いって事を思い知らされ
我々は肩を落とした

彼はキッパリ諦めた様子だったが
俺の方が悔しくなってきてしまった

そんな我々の事なんか関係無く、そのテーブルでは
次のゲームが始まろうとしていた

これが最後の23!

と決めていた彼は、あれだけ執着していた23に
見向きもせず、他の数字に賭け始めた

逆に諦めきれなくなった俺は・・・


「次に23入ったらどうする?」


とか言ってしまう小市民だったりした・・・


でも彼は23には全く未練は無い様子である・・・


するとディーラーの女性が 23 の所を指差して
「もう23は賭けないの?」と言った

彼は「もう止めておくよ!」と返した

彼女は首を横に振って・・・

ほくそ笑んだ・・・



彼女の手から玉が投げられた・・・

我々は嫌な予感がした・・・

周りの外国人も興味津々の様子だ・・・

ルーレットを回っていた玉が落ちた・・・

数回バウンドして・・・

ようやく・・・

ポケットに入った・・・





23





そのテーブルに居た全ての人が・・・

大声で叫んだ瞬間だった・・・

外国人達は何度も何度も・・・

「オーマイガー! オーーーーーマイガーーーー!!!!!」

と頭を抱えていた(人事なのに・・・)



我々二人は大笑いして地面を転がっていた



あれだけ連続して賭けていた23なのに
意を決して止めた瞬間に入るなんて



運が無いにも程がある!笑



さすがに「I」も自分の運の無さにはビックリした様子で
次のゲームに参加しようとしなかった



そんな彼を勇気付ける為・・・

俺は冗談と慰めの意味も込め・・・



「次23賭けろや!笑」



と言ってやった!


すると・・・


「アホか!50回近く賭け続けて来なかった23やぞ!」

「それが何十回ぶりに入ったのに、もう一回連続で入る訳無いやないか!」


軽〜く  キレられて  おられる  ご様子だ・・・



仕方無いので俺は小さな声で呟いてあげた



「それで入ったら凄いのに・・・」

「そんなミラクル・・・」

「起きる訳無いやろうけども・・・」

「でもな・・・さっきのも・・・」

「結構なミラクルやと思うけどな・・・」

「あんなミラクル普通は起こされへんで・・・」

「と言う事はお前は凄いんかもしれんのにな・・・」

「俺はお前やったら、さっきのを上回るミラクル・・・」

「起こせる奴やと思うねんけどな・・・」



ブツブツ・・・ブツブツ・・・



呪文の様に呟いてやった・・・



次の瞬間・・・



10枚近く重ねたチップを持った・・・



彼の手が伸びた・・・



その手は・・・



23の上で止まった・・・



真剣な顔で黙ってチップを置く彼の姿は
18年間見てきた中で一番カッコ良かった


周りの外国人から大歓声が起きた!


この馬鹿げた勝負を真剣に見ようと
一緒にゲームしていた外国人の何人かは
今回のゲームには参加せずに
勝負の行方を見守る人までいた


時間は早朝・・・


人も少なくなってきているカジノの中で
一カ所だけが異様に盛り上がっているテーブルに
見物客も増えていた



いよいよ投入される時が近づいた・・・



テーブルに居る全ての人達が緊張している・・・



その時だった・・・



「 GOOD LUCK ! 」



ディーラーの女性がボールを投入する瞬間に
「 I 」に言った言葉である



そして・・・



ルーレットに玉が投入された・・・



本日一番長く感じたこの瞬間・・・



外周を回るボールが・・・



転げ始めた・・・



いつもと同じ様に・・・



数回のバウンドの後・・・



ボールはポケットに入った・・・



全員が前のめりになって・・・



数字を確認した・・・



数字は・・・










にじゅう・・・









さん・・・









カジノホール全体に響き渡る大歓声!


オーマイガー! と  アンビリーバボー! が


サラウンドで聞こえてくる中・・・






山の様なチップ(数百枚)が彼の前に積まれたのであった





これは本当に起きたミラクルである





しかし残念な事に結構前半で負けていた彼は
これで丁度±0ぐらいだったそうだ

俺はと言うと、彼に気を奪われすぎたのか
後半は負けが続いて、その後も面白い様に
負け続け、最終的に数万円の負け





だが、こんなミラクル滅多に見れる物では無い!


本当に良い物を見せてくれたよ!




ありがとう




ミラクル 「 I 」 ・・・




1 years ago on this day

| Category:旅行の話(2005) | 11:35 PM | comments (5) | trackback (0) |

コメント

すごすぎぃぃぃーーーーーーー!!!

手に汗握る思いで読ませてもらいましたよーー!!

アキラさん、すごい物書きですな・・・ 笑 めちゃ臨場感バリバリ!!

おもしろかった!!

| kana | EMAIL | URL | 2006/12/28 10:19 PM |

おもしろい! かなり興奮しましたわ〜(>-<)。
なかなかのロックスターぶりです、?氏!

| わか@ピアノ | EMAIL | URL | 2006/12/28 10:46 PM |

背筋がぞくぞくしました。
始めは「今回は長いなぁ」なんて思ってましたが、

どんどん入り込んでました。
すっごい奇跡ですね。
面白すぎ!!

| TKY | EMAIL | URL | 2006/12/30 12:23 AM |

サイコー。イセキ君。
て、ゆうてもうた!!
そんなミラクルなあなた方とご一緒できている、あたくしは幸せです。(笑)

あーちゃん、Iさん(もう遅いか?)

次回ラスベガスは、是非、MGMミラージュ、ベラッジオ、トレジャーアイランド

をご贔屓に!!

| ケンケン | EMAIL | URL | 2006/12/30 02:54 AM |

>kana さん
おっと!待ってましたよ!
旅行の話の時は必ずコメントしてくれはりますな〜!笑
ありがとうござりまする!
これからも楽しんでもらえる様な文章・・・
頑張ります・・・

>わか@ピアノ さん
いやいや・・・ほんま・・・
その場に居たら興奮して鼻血出そうに
なったよ〜ん!笑

>TKY
長くなりすぎてゴメン・・・
これでも結構省いた方なんですわ・・・笑
最後まで読んで頂いて有り難う!

>ケンケンさん
いらっしゃいませ!
次回は是非ベラッジオに泊まりたいです
その時は宜しくお願いします
ってか・・・一緒に行きましょう!笑

| Akira | EMAIL | URL | 2007/01/01 05:02 PM |

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